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彼の指先には爪があって、その先に鳥がいて、彼女はただ笑っていて、彼はただ静かに微笑んでいる。
大切にしすぎた日々は、徐々に荒れ果てていく。 まだ誰も想像しない。 だって、誰もまだ知らなくていいから。
指がむくんで、身体の末端が腫れあがっていく。 どんな腕利きの医師だって治せない。 それは、誰もが一度、知る。
悲しいよ。 わたしは何度も消えたいと願ったことがある。 消えるということがこんなにも苦しいなんて、当時は思いつきもしなかった。
そして、消えないで、と祈ること。 それは、その失くしたくないものの存在を全否定することと同様だ。
ようやくわかった。 これで、生きていける。
ありがとう、おじいちゃん。